一級建築士から転職して公務員になることはできるの?

一級建築士から転職して公務員になることはできるの?

 

一級建築士は専門性があるから将来安泰だ。

一般的に一級建築士はこのようなイメージを持たれることが多いと思います。しかし一級建築士といえでも会社員の場合がほとんど。企業の業績が悪化すれば解雇される可能性があります。そのため一級建築士の中には「一級建築士だけど会社に依存している状態だ…」「一級建築士の仕事は先細りだ…」と将来に対して不安を抱え、転職を考える方もいることでしょう。

 

今回はそんな一級建築士の方に向け『公務員の建築士』という仕事についてご紹介していきたいと思います。『公務員の建築士』とは文字通り公務員のこと。つまり警察官や消防士同様に解雇かれる心配がありません。詳しくは本編を通してご説明していきますが、『建築士の公務員』は安定を求める一級建築士にとって大変人気のある転職先となっておりますよ。この記事では転職を考えている一級建築士に向けて、『公務員の建築士』のことをわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

 

まずは公務員に転職する前にやっておくべきことからご紹介していきます。

 

それではいってみましょう!

 

 

一級建築士から転職する前に公務員の受験資格を確認しよう

一級建築士から転職する前に公務員の受験資格を確認しよう

一級建築士から公務員の建築士に転職したいと思っても受験資格を満たしてなければ当然なれません。とくに年齢制限には気をつけるべきでしょう。大体の目安で言うと、県庁への転職は『20代後半』まで、地方公務員の技術職への転職は『30代半ば』までとった感じでしょう。公務員の建築職と一口にいっても勤務地や職種により受験資格が異なりますので、一級建築士から転職する前に確認しておきましょうね。自治体によっては就職氷河期世代支援する観点から30代後半でも受験できる場合もあります。とりあえず検索してみることが第一歩になりますので、一級建築士から公務員への転職を考えている人は、公務員建築士の採用試験サイト公務員建築士の試験日程一覧が載ってるサイトをご覧ください。

一級建築士から公務員に転職するイメージを持つことが何より大事です。

 

 

一級建築士から転職する前に公務員の採用枠を見ておこう

一級建築士から転職する前に公務員の採用枠を見ておこう

一級建築士の資格を持っている場合、公務員建築士への転職はかなり有利に進められると思います。しかし近年では不景気の影響で公務員への転職を考える一級建築士が増えており、一級建築士の資格を持っていても不採用になるケースも珍しくありません。その理由は採用枠に関係しております。例えば、希望勤務地が『小さな都市や市』の場合は公務員の採用数が少ない。自治体によっては公務員建築職での採用は『毎年1人』なんてところもあるのです。だから、一級建築士を持っているから採用されると思わないようにしてください。ちなみに、採用枠で考えると政令指定都市や大きな自治体の方が多くなっておりますので、こだわりがない人はそちらへの転職を検討してみるといいでしょう。実際に応募状況を見たほうがイメージがつきやすいと思うので、公務員試験情報が乗ってるサイトをご覧になってください。

  

 

一級建築士から転職する前に公務員の試験について調べましょう 

一級建築士から転職する前に公務員の試験について調べましょう 

一級建築士を持っているからと驕らず、公務員建築士の試験についてしっかりと調べましょう。というもの、一級建築士は難易度の高い資格ゆえ、筆記試験には自信を持っている方が多いはず。なかには当然合格できると高を括っている一級建築士もいると思います。

しかし、一級建築士から公務員に転職するには建築に関する筆記試験だけでなく、一般教養の問題と面接試験がある。つまり、舐めてかかるとヤケドしますよってことです。

試験内容は以下の通りですね。

 

1 一般教養筆記試験

2 専門筆記試験

3 面接試験

 

一級建築士から公務員建築士に転職する場合、専門分野(建築)に関する勉強は不要かと思いますが、一般教養は英語や数学など広範囲で出題されますので、勉強しておきましょう。面接に関しては一級建築士として偉そうにしないことが大切。いくら優秀な人材でも、人間性に問題があると転職に失敗します。一級建築士から公務員の建築士になりたい方は、このことを踏まえ面接で失敗しないようにしてくださいね。何事も謙虚さが一番です。

尚、一級建築士から転職を希望される方で、自治体ごとの合格率を知りたい方は、公務員試験総合ガイドのサイトをご覧ください。

 

 

一級建築士から転職する前に公務員の仕事内容を把握しておこう  

一級建築士から転職する前に公務員の仕事内容を把握しておこう 

一級建築士から安定を求めて公務員建築士に転職する」

このような理由で転職する一級建築士の中には、公務員建築士の仕事内容を調べずに転職活動をする人もいるのではないでしょうか?

同じ建築仕事とは言え、一級建築士と公務員では異なる部分も多いのが実情。ですから、一級建築士から公務員を目指す方はミスマッチがないよう、事前にしっかりと仕事内容を確認しておきましょう。

ここでは公務員建築士の仕事を所属する部署ごとに説明していきます。

大きく分けると3部門になりますので、簡単に把握できると思いますよ!

 

【公務員の仕事1】 庁舎等役所関係の建築物の建築、維持管理に関する仕事

事業の計画立案や予算措置、入札等に関する事務、施工中の現場の確認作業等を行います。と言っても、実際の設計や施工は外部に発注。一級建築士の皆さんならご存知かと思いますが、確認だけを専門に行う仕事は、公務員が務める役所以外の民間にもたくさんある。そのため、役所に所属する建築士は確認作業が中心となるのです。役所は、公共的な建築物を作る関係上、どうしても二重、三重の確認が必要になるのですね。

 

【公務員の仕事2】建築基準法都市計画法等の許認可に関する仕事

こちらは一級建築士の皆さんには馴染みのない仕事ではないかと思います。というもの、こちらは民間で行っている建築基準法に適合しているかを証明する仕事の後に行う、最終的な許可をする作業。具体的には建築確認申請や法律の申請受付業務などを行います。建築行為や開発行為を行うには、色々な法令をクリアする必要がある。そのため、公務員建築士の仕事の中でこの作業は大きな割合を占めるでしょう。

 

【公務員の仕事3】都市開発に関する仕事

都市開発に関する仕事。平たくいうと、街づくりですね。こちらは一級建築士の方もご存知のとおり、大変人気のある仕事。そのため、この部署への転職を希望する方が多く、競争率が非常に高くなっております。また、転職を希望する人が多い割には定員が少ないもの特徴。つまり、この部署への転職を希望するなら相当優秀な人でないと難しいでしょう。ま、一級建築士の皆さんなら十分に狙えると思いますが…。

 

【公務員の仕事4】一般的な公務員としての仕事

筆者が一級建築士の方に気をつけてほしいと思う項目の一つがこれです。というのも、公務員建築士として役所に入れば、建築に関係のない仕事を任されることもあり得るのです。これは一級建築士の資格を持っていたとしても十分に考えられるでしょう。はじめは建築関係の部署でも数年経てば、別の部署に移動することも珍しくありません。特に2020年、世界に猛威をふるったコロナウイルスなどのように、混乱が起こると手薄な部署に移動させられることもあり得ます。ですから、一級建築士から公務員建築士に転職される方はこの点を考慮した上で転職活動を行うようにしてくださいね。一級建築士のように建築の仕事だけできるとは限りませんよ!

 

以上です。

 

さらに細かく分類した公務員の仕事内容は、一級建築士から公務員建築士に転職された方のサイトで、体験談を交えてご紹介しておりますので、そちらをご覧ください。

 

それでは最後に一級建築士から公務員建築士に転職するメリットとデメリットをご紹介していきたいと思います。公務員への転職を検討されている方はそれぞれの要素を天秤にかけ、考えてみることをオススメします。

 

一級建築士から公務員建築士に転職するメリットとデメリット

一級建築士から公務員建築士に転職するメリットとデメリット

 

公務員建築士に転職するメリット

一級建築士から公務員に転職する最大のメリットは福利厚生の良さ。これに尽きると思います。公務員は民間企業に比べて休みが取りやすい。有給なんか、勤務し始めた初年度から年間20日から支給される上に、1時間ごとに取得できます。

また、一級建築士から公務員に転職すると住宅ローンを組みやすいなどもメリットですね。もちろん、一級建築士も社会的信頼度が高く、ローンを組みやすいと思いますが、公務員に比べると劣ります。

 

公務員建築士に転職するデメリット

一級建築士から公務員に転職する一番のデメリットは先ほどご紹介した、別の部署に配属されるリスクがあるということです。せっかく一級建築士の資格を持っているのに、役に立たない部署に配属なんてこともあり得ます。そうなると、一級建築士の勉強に費やした時間を不毛に感じますし、建築の仕事が好きな人にとっては苦痛以外の何物でもありません。

 

また、担当部署も人事異動が定期的にあるため、設計のようなクリエイティブな仕事から確認作業中心になる。ということも考えられます。実際に一級建築士から公務員に転職して、仕事にやりがいを感じられないという方もいるそうです。あと、これはメリットの裏返しになりますが、給料が安定してもらえる分、民間のように飛躍的に上がることがないのもデメリットです。仕事をやってもやらなくても給与に差がないと、やる気が出ないですよね。現実に一級建築士から公務員に転職したけど、やり甲斐のなさから数年経つと民間に戻る、人もいるようですよ。

 

尚、一級建築士と公務員建築士のお給料の違いを知りたい方は、一級建築士と公務員建築士の比較サイトがありますので、そちらをご覧くださいね。これを見てから公務員に転職するか検討されてもいいと思いますよ。

 

まとめ

では、これまでの内容をまとめると 

1 一級建築士から転職する前に公務員の受験資格を確認しよう

2 一級建築士から転職する前に公務員の採用枠を見ておこう

3 一級建築士から転職する前に公務員の試験について調べましょう

4 一級建築士から転職する前に公務員の仕事内容を把握しておこう

5 一級建築士から公務員建築士に転職するメリットとデメリット

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

一級建築士から公務員に転職すると安定を手にすることができる。

しかし、一級建築士のときみたいに転職後も建築の仕事ができる保証がない。

非常にシビアな選択で迷われると思いますが、転職が当たり前の現代においては大きな問題ではないと思います。一級建築士という難関資格を取得されている皆さんなら、公務員が合わなくても、すぐ民間企業で採用してもらえると思いますよ。

応援しています!